住民監査請求は、市民が市長などの執行機関や職員について、違法または不当な財務会計上の行為があると認めるとき、このことを証明する書類を添えて、監査委員に対して監査を求め、必要な措置を講ずべきことを求める制度です。
市民のみなさんが、市の事務執行の在り方や税金の使い方をチェックすることにより、市の財政の適正な運営を確保し、市民全体の利益を守ることを目的とする制度であるといえます。
■監査請求の対象
住民監査を請求できるのは、市長や市の職員について、次のような違法または不当な財務会計上の行為や怠る事実がある場合に限られています。
1.財務会計上の行為
(1)違法または不当な公金の支出(補助金の支出、職員給与の支出など)
(2)違法または不当な財産の取得、管理、処分(市有地の取得や売却、物品の購入や廃棄処分など)
(3)違法または不当な契約の締結、履行(事務委託契約、工事請負契約、備品購入契約など)
(4)違法または不当な債務その他義務の負担(借入れや保証をすることなど)
※(1)から(4)の財務会計上の行為において、当該行為がなされることが相当の確実さをもって
予測される場合も含みます。
※(1)から(4)の財務会計上の行為については、当該行為のあった日又は終わった日から1年を
経過したときは、正当な理由がない限り請求することができません(1年を経過した事案に
ついて請求するときは、請求書に正当な理由を示していただく必要があります)。
2.財務会計上の怠る事実
(5)違法または不当に公金の賦課、徴収を怠る事実(市税や施設使用料の徴収を怠っている場合など)
(6)違法または不当に財産の管理を怠る事実(市の土地や建物を不法占拠されたままにしていることなど)
上記の(1)から(6)について、法令違反のおそれがある行為であっても、財産的損害が生ずるおそれ
がないものであれば請求することができません。
■監査請求の方法
住民監査の請求は書面により行うこととされています。
請求書の様式は、地方自治法施行規則第13条に定められており、請求人の住所、自筆による氏名、請求の趣旨の記載などが必要です。また、請求書には、違法または不当とする財務会計上の行為や怠る事実を証明する資料(公文書開示請求で得られた公文書の写し、その他新聞記事の切り抜きなど)を添付する必要があります。
■対象者
熊本市に住んでいる市民であれば、一人でも住民監査を請求できます。また、熊本市に所在する法人や団体も住民監査の請求を行うことができます。
■個別外部監査
特に理由がある場合は、監査委員の監査に代えて、専門的な見識を有する外部監査人による監査(個別外部監査)を求めることもできます。
注:外部監査人とは、公認会計士や弁護士などの資格を有し、市長と個別外部監査契約を結んで、
監査委員に代わって監査を行う人をいいます。
■住民訴訟
監査の結果などに不服がある場合は、住民訴訟を提起することができます。(地方自治法第242条の2)
【監査結果に不服がある場合】
出訴期間・・・監査の結果の通知を受け取ってから30日以内
【勧告に対する執行機関等の措置に不服がある場合】
出訴期間・・・措置結果の通知を受けてから30日以内
【勧告に対する措置が行われないことを不服とする場合】
出訴期間・・・措置期限の日から30日以内
【請求の日から60日(90日)以内に監査結果の通知がない場合】
出訴期間・・・60日(90日)を経過した日から30日以内
注:(90日)とは、個別外部監査による監査が行われた場合の期間です。
【監査を実施しなかった(却下された)ことに不服がある場合】
出訴期間・・・却下の通知を受け取ってから30日以内
※詳しくは、下記の関連するホームページ「住民監査請求」を参照ください。 |